ありがたいことに、10周年になりました。
2023.6.01

ありがたいことに、10周年になりました。

タイラーデザイン事務所は2023年5月で仕事をはじめて10周年を迎えることができました。支えてくださった、たくさんのみなさまありがとうございます。

 

私は大学入試を2浪して、大学では大学院までいったので、高校までの友人と比べると4年も遅く社会に出ています。2年の浪人生活はとても良い経験になったと思うし、もちろん大学院の2年間は実践現場での経験もしつつ学びも大変にあったので、かけがえのない4年であったことには変わりないのですが、4年間の社会人としての遅れに不安や焦りがあったことは事実でした。

 

社会人1年目での上司に「お前はただでさえ実務経験が同期より4年分ないんだから、がんばって取り戻さないとな」と言われてた(鼓舞されてた)くらいなので、なかなかに焦っていたのかもしれないです。

 

さて(大人な事情で)社会人2年目で会社を辞め、知人の内装設計事務所にデザイン系のアルバイトをさせてもらいながらの日雇い労働(1年間毎日、建築現場で荷上げやってましたよ!)をし、独立しようとは思いつつも、クライアントもいなければ、貯金は限りなく無きに等しい状態。独立どころでなかったこともあり、まずはお金を貯めるべく知人から勧められた派遣の仕事を行い起業資金を貯めました。

 

幸運にもその派遣の仕事の収入が良かったので1年で起業できそうな金額が貯まりましたが、今思えばよく20代最後の1年を資金貯めに使ったなと我ながら思っているところです。しかも出身大学がなかなかなだけに周りは大企業に勤める友人ばかりで、なかなかの崖っぷちだった状況で。

 

一方で、その派遣の1年の間、プライベートで出会ったのが文京区本郷の商店主が運営するNPO法人街ing本郷。現在は認定NPOにまでなっている活動的なNPOですが、ここで初めてフライヤーを作ったのがグラフィックデザインを仕事にしたきっかけです。(ほとんど経験もなく初めてだったのでボランティアで作ってます)

 

そのフライヤーのデザインは、今見ると恥ずかしいを通り越し、時間のマジックも加わってか、愛情を感じてしまうようなデザイン。そんなフライヤーを商店主のおっちゃん達がとても喜んでくれて、これまでの仕事で感じなかった1対1でダイレクトに感じる感謝ややりがいを得ることができました。

 

どんな仕事にも感謝ややりがいを感じるとは思うのですが、当時の自分にとっては誰かの下で働いて間接的に感謝ややりがいを感じるくらい。グラフィックデザインという少人数で完結ができるような仕事ではこういうやりがいがあるのだと驚きこれが自分のスタイルだと悟った瞬間でした。(当時のグラフィックデザインの業界を何も知らない考えです。今ではたくさんの関係者によって作り上げられると認識しています)

 

このNPOの中でロゴを作ったり、リーフレットを作ったりし、今ほど話題にでなかった副業という形態でグラフィックデザインの実務を独学で進めていきました。

 

そんなこんなで焦りややりがい、感謝を経て、社会に出て3年を過ぎて早くもグラフィックデザイナーとして独立しました。独立や起業を恐れる話をよく聞きますが建築現場で荷上げの日雇いを毎日していたくらいなので、人生どう転がっても大丈夫、こわいいものなしっていう心構えも独立に役立ちました。

 

ちなみに私のフェイスブックのカバーの砂利の写真(この記事のtop画像)は、荷上げ時代の現場の地面を休憩中に何気なく撮った写真。砂利ってかっこいいなと感じたのと、この時代の自分を忘れないでおこうと思ってカバーにし続けています。

 

そして気づけば10年。少しはフライヤーデザインはマシになったんじゃないでしょうか笑。

 

さてグラフィックデザイナーとしての11年目。メインの活動場所を東京から岡山に変えた1年目。実は40代最初の1年目。これからもどうぞよろしくお願いします。